水没車は修理できる?費用の目安と廃車の判断基準は?
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予期せぬ自然災害などで車が水没してしまった場合、修理をすることができるのでしょうか。答えは「修理できる」です。
しかし、水没車を修理するには相応の費用に加え、メリットもあればデメリットもあります。今回は水没車の費用の目安と、最悪の場合を想定した廃車の判断基準について詳しくご紹介します。
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水没車の修理と費用の目安
一言で「水没車」と言っても、水没してしまった程度によって状態が異なるため、修理にかかる費用にも違いがあります。それぞれの状態による修理箇所と費用の目安を見ていきましょう。
タイヤの下半分
水没車でもタイヤの下半分までであれば、修理にかかる費用は比較的安価で済みます。この場合に修理が必要となるのは、主にブレーキローター、ドライブシャフト、タイヤです。
・ブレーキローター
ブレーキローターはタイヤにブレーキをかける重要な役割を持っていますが、サビやすい素材を使っている特徴があります。
ブレーキローターの部品代は1輪あたり約1万円~2万円、工賃は4千円~5千円が相場ですので、4輪すべて交換すると5万6,000円~10万円程度かかることになります。
・ドライブシャフト
ドライブシャフトとはエンジンの駆動を伝える棒のことで、走行において重要な部品のひとつです。ドライブシャフトのブーツ内には潤滑油(グリス)が充鎮されているため、水没すると潤滑油が溶けてしまいます。
そのままの状態で走行していると、ドライブシャフトが故障してしまう可能性があります。ドライブシャフトの交換費用は、約10万円~20万円が相場になります。
タイヤの上半分
タイヤの上半分が水没している場合はマフラーやエンジン、電気系統などにまで影響が及んでいる可能性が高いと言えます。
もし、何らかの拍子でマフラーが水を吸い込んでしまった場合、エンジン内に水が入ってしまうことでエンジン内部が破損してしまう危険があるでしょう。そうなってしまうと、修理や交換のために高額な費用がかかってしまうことになります。
フロアまで水没
フロアにまで水に浸かってしまうと、エンジンルームまで水が浸入している可能性が高くなります。エンジンルームに水が浸入すると多くの部品が故障してしまうため、修理費用が100万円~200万円と非常に高額になるでしょう。
また、エンジンルームまで水没した車は内部にゴミが蓄積していることも考えられるため、たとえ修理や交換を行っても再び不具合が生じる可能性があります。
さらに、フロアまで水に浸かってしまった水没車は、修理できたとしても悪臭に悩まされるリスクは避けられません。河川の氾濫などによって汚水に浸かってしまうとシートにまでしみ込んでしまい、乾燥させても悪臭を完全に消すことは難しいでしょう。
シートの場合はクリーニングすることになりますが、その費用は3万円~5万円ほどです。
電気系統がショートしている
水没の程度によっては電気系統がショートしてしまい、車を動かすことができなくなってしまう場合があります。仮に水没後にエンジンを動かすことができたとしても、ほかの部品が故障している可能性も否定できません。
そのような問題に見舞われてしまったら、大抵の場合ショートしてしまった部品の修理や交換が必要です。以下が修理時の費用の目安となります。
スパークプラグ | 5,000円以上 |
バッテリー | 1~2万円 |
イモビライザー | 1~3万円 |
セルモーター | 3万円以上 |
オルタネーター | 5~10万円 |
センサー類 | 1~10万円 |
エンジンコントロールユニット | 10万円以上 |
駆動用バッテリー | 15万円以上 |
オーバーホール | 8~50万円 |
エンジン(交換) | 10~100万円 |
水没車を修理する前にすること
実際に車が水没した場合、何をすべきかすぐに判断できないこともあるでしょう。事前に何をすべきか知っておくと、円滑かつ安全に水没車を対処することが可能です。
ここでは、車が水没した場合の対処法を2つご紹介します。
自分で動かさずにレッカー車を手配
車が水没していることが分かった場合、まずは安全な場所への移動をする必要がありますが、自分で対処をするのは避けましょう。
水没していることが判明したらすぐにレッカー車の手配をして専門家に任せることをおすすめします。自分で対処をしてはいけない理由は、水没車は重大な事故に発展する可能性があるからです。
車には必ずバッテリーが搭載されており、無理に車の移動をしようとエンジンを始動させると水に濡れた機器系統がショートして感電する可能性があります。
専門家にチェックしてもらう
専門家による車のレッカーでの移動が完了したら、次にすべきことは水没した車の被害の程度を把握することです。
車の被害状況を確認するのも、車を搬送した整備工場やディーラーの専門家にて行ってもらうよう依頼をしましょう。
専門家に被害状況の確認を依頼し明確な診断結果を出してもらうことで、ご自身の車は修理にすべきなのか廃車にすべきなのか把握することができます。
自分の判断で対処することは、できるだけ避けるようにしましょう。
水没車はどこで修理するのがおすすめ?
水没車を廃車せずに修理で乗り続けることができると専門家から説明があった場合、その後どのような対処をする必要があるのでしょうか。
基本的にはディーラーや整備工場で修理をし、乗り続けるという判断になることが大半でしょう。ここでは、どこで修理をすべきなのか、2つのケースに分けて詳しく解説します。
ディーラーがおすすめのケース
車をできるだけ新車に近い状態に直したい場合は、ディーラーへ修理依頼することをおすすめします。
基本的にディーラーで取り扱っている各部品は新品の純正パーツです。修理費が高額になりがちですが、ディーラーで修理することで安心感にも繋がり、仕上がりにも満足することができるでしょう。
ただし、車種によってはディーラーに部品在庫がない場合があるため、取り寄せに時間がかかることを考慮しておく必要があります。
整備工場がおすすめのケース
できる限り費用を抑えて修理をしたい場合は、整備工場での修理がおすすめです。
整備工場では新品の部品を使用した修理だけでなく、中古の部品を使用した修理を依頼することもできます。中古の部品を使うことで、修理にかかる費用を抑えることが可能です。
整備工場では幅広い車種を取り扱う一方、ディーラーほどメーカーへの知識は高くありません。そのため、修理後にどの程度乗り続ける予定なのか、修理の度合いで整備工場へ修理依頼をするか判断しましょう。
水没車の修理費用で車両保険は使える?
水没車の修理は水没の程度によりますが、修理費用が高額になることがあります。車の修理のような急な出費が発生する際、自動車保険の使用を検討することもあるでしょう。
では、保険を使用して修理できる対応範囲と対象外のケースは、どのような場合なのでしょうか。これらの注意点も交えながら詳しく解説します。
補償される範囲は?
水没の原因が台風・大雨による洪水などの自然災害の場合、一般的には自動車保険に付随する車両保険の補償の対象です。
自然災害によってエンジンが浸水し修理不能となった場合や、水没車の時価額よりも修理費のほうが高い場合は「全損」の判定となります。このケースでは、保険会社で契約時に設定した保険金が支払われることが大半です。
しかし、自然災害と言っても補償の対象外となるケースも存在します。次で見ていきましょう。
補償の対象外になるケース
水没車の補償の対象外となるケースは、地震や津波・火山の噴火など、予測不能で突発的に大きな規模の災害に繋がる自然災害の場合です。
対象外となる理由は、その災害が発生しないことには被害の規模が計り知れないことが挙げられます。保険会社も災害の明確な定義ができず、補償の設定をすることができないためです。
しかし、自動車保険の「特約」の契約をしている場合、地震や津波・火山の噴火などの自然災害でも保険金の支払いがある場合があります。
この点は加入している自動車保険の内容によって変わるため、どのような契約になっているか事前に確認しておきましょう。
全額補償されるわけではない
自然災害の場合に、自動車保険の車両保険から保険金の支払いがあるケースがありますが、これは修理代金を全額補償することを確約されているわけではありません。
補償金額については、自動車保険の契約時に決めた「車両保険金額」が支払の上限額となります。特約を除き、基本的にはこれを超えて補償をされることはないと考えておいたほうが良いでしょう。
所有している車両の時価額を車両保険金額が下回っている場合、いざというときに保険金の支払いが思ったより少ないという事態になりかねません。もし、自動車保険の契約内容で不明点がある場合は、保険の内容を確認するようにしましょう。
水没車の修理・廃車の判断基準
水没車は修理しても悪臭が残ってしまったり、浸水レベルによっては修理に高額な費用がかかったりなど、修理が困難となる場合があります。
水没車を修理に出すか、それとも廃車にするかの判断基準ですが、フロアまで浸水してしまった場合は廃車するのが賢明でしょう。
カビや雑菌による悪臭の問題があることに加えて、エンジンまで水没している可能性を考えると修理はおすすめできません。
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まとめ
水没車を修理する際には、車の状態を見極めてから判断することが大切です。症状が軽いようでしたら修理して乗り続けることも可能ですが、修理費用が大きくなるなら廃車を検討したほうが良いでしょう。
車両保険に入っている場合でも、支払いの上限額を超えた分は自己負担になります。さらには、カビや雑菌などの問題も考えなければなりません。
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