オルタネーターから異音がする原因と対策|修理はできる?
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ご存じのとおり、自動車はさまざまな種類の部品から成り立っています。その中のひとつ、オルタネーターという部品をご存じでしょうか。エンジンの不具合やトラブルの原因にもつながる部品です。
車は突然故障するイメージがあるかもしれませんが、大抵の場合前兆があります。オルタネーターからの異音は故障の前兆です。不慮の故障・トラブルが起きても、予備知識があれば慌てずに済みます。オルタネーターから異音がする原因や対策について調べてみましょう。
目次
オルタネーターの基礎知識
車を動かすためには、電気はどうしても必要です。エンジン、ライト、ナビ、窓の開閉など多岐にわたります。車の電力と言えばバッテリーを思い浮かべますが、バッテリー充電のために欠かせない部品がオルタネーターです。
最初にオルタネーターの基本的な概念や役割を見ていきましょう。
オルタネーターとはどんな部品?
オルタネーターとは、分かりやすく言うと車についている発電機のことです。エンジンの動力を使って発電し、車の電装部品に電力を供給したりバッテリーを充電したりします。
かつては直流発電機の「ダイナモ」が使用されていましたが、現在は交流発電機の「オルタネーター」が主流です。オルタネーターで発電した交流電流はダイオード(整流器)によって直流電流へ変換されます。
オルタネーターは車のどこに付いている?
発電にエンジンの動力を利用する関係から、オルタネーターはエンジン横やエンジンルーム正面に付いていることが一般的です。
補機ベルトを使用している観点から、エンジンルームのベルト周辺を探してみると見つかりますただし、車種によっては他の部品を外す必要があります。
夏に壊れやすい?
一概には言えませんが、発電機は夏に壊れやすいとの報告があります。夏の暑さで劣化が進むことがその理由です。駆動中のエンジンルームは常に高温ですが、夏の暑さが加わることによってオルタネーターの消耗が進むことがあります。
発電機の故障による夏の救援依頼は、冬の3倍弱であるとの統計もあるほどです。
オルタネーターは消耗品
自動車には多くの消耗部品がありまずが、オルタネーターもそのひとつです。車を長く使用するにつれ消耗し、故障が発生します。すぐに影響を受けるのはバッテリーです。
どのような仕組みでバッテリーが上がるのでしょうか。万が一の場合に備えて、大まかに把握しておきましょう。
バッテリーが上がる仕組み
バッテリーの役割は、車内のさまざまな部品を動かすために電気を供給することです。エンジン始動時にはスターターに電力を供給する役目もあります。
バッテリーはいわゆる充電式電池のため、エンジン回転中に充電される仕組みです。その充電をエンジン稼働中のオルタネーターが担います。仮にオルタネーターが故障していると、新品のバッテリーに交換してもすぐに上がるというトラブルが起こります。
また、駆動していないエンジンではオルタネーターは発電できません。エンジン停止中に充電されていないバッテリーで電気部品を使い続けていると、そのうちバッテリーが上がってしまいます。
エンジンがかかりにくくなる?
オルタネーターとバッテリーの関係性を考えると、オルタネーターの故障によってエンジンがかかりにくくなることは考えられます。ただし、エンジンがかかりにくい原因には他にもあるため、すぐに結論づけることはできません。
たとえば、カーボンブラシの寿命、レクティファイアの故障、ICレギュレータの故障などです。この場合は、ディーラーや整備工場で原因を探ってもらうことが必要になります。
オルタネーターの異音は故障場所で違う
オルタネーターに不具合が生じると、エンジンの回転に合わせて異音が生じます。しかし、オルタネーターは複数の部品で構成されているため、内部のどの部品が壊れているかにより異音の種類が違うのです。
異音の種類を大きく分けると、以下の3種類が挙げられます。
「ウィーン」という異音がする
「ウィーン」という異音がするケースでは、ベアリングの劣化が考えられます。ベアリングとは、オルタネーターのプーリーをスムーズに回すための部品です。
ベアリングの交換は、約5万円以上が相場価格とされています。放置せずに、すぐに修理が必要です。
「キュルキュル・キー」という異音がする
「キュルキュル」や「キー」という異音がする場合は、オルタネーターベルトの摩耗です。
ベルトは長く使用していると、摩耗や劣化による損傷が起きることは避けられません。摩耗しているベルトの張る力が弱くなっている場合、滑ってキュルキュルという音がします。
ベルト表面や溝のひび割れなどにより弱っている場合は、交換が必要です。部品代は3,000円ほどですが、工賃を含めると1万円以上かかるケースもあります。
「カタカタ・カラカラ」という異音がする
「カタカタ」や「カラカラ」という異音は、オルタネーター先端にあるプーリーの摩擦が原因と考えられます。ベルトからの動力を伝達するプーリーは、ベルトにかかる負担を抑えてベルトの寿命を伸ばす目的もある部品です。
部品代は安くて5,000円ほどでネット購入可能ですが、業者依頼の場合は工賃も発生します。
オルタネーターの故障発見は異音以外にも
オルタネーター故障の主な前兆は、異音がすることです。しかし、よく注意していると異音の他にも症状が表れていることがあります。主な前兆とその原因は、下記のとおりです。
発電が不足する
故障の原因として、発電不足もよくある事例のひとつです。オルタネーター内部では、スリップリングに電気が流れることで発電が行われます。
その際、スリップリングを傷つけないようにするのが、銅や炭素素材で作られたブラシです。このブラシは使用していくうちに摩耗し、スリップリングに届きにくくなったり接触が悪くなったりします。その結果、発電不足が起こるのです。
発電機が正常に作動せず発電不足の状態が続けば、電圧が低くなることは必至です。結果として運転中にバッテリーの警告灯が点灯したり、エアコン・オーディオの動作が不安定になったりする症状が現れます。
まったく発電しない
オルタネーターの故障により、エンジンが突然停止する場合もあります。これは、まったく発電していない状態です。その理由としては、前述のとおり摩耗したブラシが原因で、スリップリングの接触できないことが疑われます。
他にも、オルタネーター内部のショートが原因であることも少なくありません。ショートの原因は、大抵がエンジンからのオイル漏れです。発電時には高熱を発生するため、それを抑えるために凹凸のあるフィン構造になっています。その中に漏れてしまったオイルが入り込んでしまうことが、発電しない原因です。
この場合はオルタネーターの修理だけでなく、エンジンからのオイル漏れも修理しなければなりません。
オルタネーターの異音・故障の対策
車からの異音に気付いてオルタネーターの故障が疑われる場合、どのように対処したら良いのでしょうか。
必要な時にエンジンがかからないなどのトラブルが発生する前に、対策できることもあります。万が一の場合に備えて、予備知識を蓄えておきましょう。
走行中の異変を感じたら安全確保を最優先
走行中に異音が大きくなっているなど異変を感じたら、まず前後を確認し路肩によるなどして安全を確保しましょう。まだ走行可能であれば、少し広めの安全な場所まで移動します。
その後レッカー車の手配を行い、整備工場などへ移動します。異変を感じながらも、そのまま放置して走行しないことが大切です。
定期的な点検【電圧】
有効な対策方法として、定期的な電圧の点検があります。オルタネーターチェッカーという簡易測定器を使用すると自分でも点検可能です。ネットでも購入できます。
気軽にできる電圧点検は、エアコンなど電気系統を付けない無負荷状態で、エンジン回転数を2,000~2,500rpmにした時の発生電圧を調べる方法です。オルタネーターのB端子電圧が「12V~15Vの間」を指していれば心配ないでしょう。
定期的な点検【電流】
電流の点検も定期的に行いましょう。電流点検の際は、ヘッドライトやエアコンなど電気製品をすべてONにした状態にします。クランプメーターという測定器を使用しますが、これもネット購入可能です。
クランプメーターはB端子に挟み込み、アクセルを踏んでエンジン回転数を2,000~2,500rpmほどまで上げます。電流値が「30A以上」であれば問題ありません。電気製品の使用状況に応じ、電流値が上げれば正常と判断できます。
寿命の判断は走行距離も確認
オルタネーターは消耗品のため、寿命があります。一般的には走行距離が約10万km、最新モデルの場合は走行距離約20万kmが寿命の目安です。車の年式や車種によって異なりますが、故障した際に修理・交換するかどうかの判断材料にできるでしょう。
乗っている車の走行距離を時々確認して、これから生じるかもしれない不具合を予想することもできます。
オルタネーターから異音がする場合の修理・交換費用
オルタネーターの修理・交換を行うには、どのくらい費用がかかるのか気になるのではないでしょうか。あまり耳にしない部品の場合は不安になるかもしれません。車種など種々の条件により異なりますが、参考価格をご紹介します。
交換費用の幅は広い
オルタネーターの修理・交換には、どのような部品に交換するかにより価格に差があります。新品・リユース部品・リビルト品などです。
新品は安心ですが、部品代だけで約5万円~10万円ほどかかります。これに工賃が約1万円~2万円ほど加算されることが一般的です。新品の中には安価なものがありますが、すぐに壊れるなどの粗悪品があることに注意しましょう。購入の際には、保証の有無を確認しておくことをおすすめします。
リユース部品になると約1万円~5万円ほどです。純正品かどうかに加え、走行距離・使用年数・使用状況の確認が欠かせません。
リビルト部品とは、中古部品をオーバーホールして新品同様の状態に再生した商品です。厳正な品質チェックがなされており、保証も付帯しています。リビルト部品代は約2万円~5万円ほどです。日本でもポピュラーになっているためチェックしてみても良いでしょう。
業者によっても費用は変わる
工賃を含むオルタネーターの修理・交換費用については、車種や状態により異なるため実車確認を求められることが一般的です。目安として正規ディーラーA社を例に挙げると、新品純正品使用で工賃含む合計費用は約6万円~12万円となっています。
整備工場B社へ依頼する場合は、約5万円前後という設定金額です。輸入車の場合は、さらに割増されることもあります。事前に見積もりを依頼しましょう。
安全のためには廃車・買い替えも検討
オルタネーターは消耗部品とは言え、すぐに故障するわけではありません。走行距離10万kmだったり、初年度登録から10年経ったりした時に故障するケースが大半です。
そのような時期の車は、オルタネーターのみならず他の部品にも不具合が生じている可能性があります。
修理・交換費用がかさむことを考えると、廃車・買い替えを検討するほうが良い場合もあるかもしれません。車の走行性能や燃費性能など、安全に乗れるかどうかという視点で検討してみましょう。
買い替え時の廃車見積もりは廃車王へ!
車に不具合が生じた際には、できれば修理・故障をする前に見積もりを取るようにしましょう。同時に、廃車・買い替えを行った場合の概算費用も計算しておくことをおすすめします。
廃車にする場合の費用を計算することは、難しいと感じるのではないでしょうか。そのような場合は、お気軽に廃車王へご相談ください。
廃車王では他の業者で値段が付かなかった車も、状態によっては高価買取の可能性があります。廃車手続きや引き取りも原則無料です。
まとめ
車は長く乗り続けていると、故障やトラブルが起きてしまいます。安全に乗り続けるためにも、運転時には異音や異臭など普段と違う症状が起きていないかを確認するようにしましょう。
走行距離が多くなってきた際には、不具合が出ていないか日頃から整備・点検をしておくことが大切です。とくにオルタネーターは、エンジントラブルにも直結します。不安を感じた時には、すぐに整備・点検を行うことが重要です。
状態が悪くて廃車にすることを検討する際は、廃車王までご相談ください。廃車王では、初めての方でも安心してご利用いただけるサービスをご提供しています。大切に乗ってきた愛車を気持ち良く引き渡したい方にもおすすめです。