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事故車の修理と買い替えの判断基準とは?メリットとデメリットを紹介

走行中や停車中に事故に遭った場合、修理と買い替えのどちらかを選択しなければなりません。判断を誤ると大きな出費につながる恐れもあるため、慎重に選ぶ必要があります。具体的な判断の基準について知りたいという方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、事故車の修理と買い替えの判断基準についてご紹介します。買い替えで自動車保険を使用する場合の注意点についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

目次

事故車は買い替えと修理のどちらが適している?

修理か買い替えかの判断は、事故による損傷の程度によって変わります。損傷の程度が小さい場合には、修理して乗り続けるのが得策かもしれません。一方で、損傷が激しいときには、無理に直すよりも、新しい車へ買い替えるほうが安く抑えられるでしょう。

ここでは、事故車の修理と買い替えの判断基準について、3つのパターンで解説します。

軽度の傷なら修理して乗り続けられる

軽度な物損事故や衝突事故の場合、修理して乗り続けるのがおすすめです。軽度な事故として以下の3つがあります。

  • 細かい線が残る引っかき傷
  • ガードレールや縁石との衝突でできる擦り傷
  • 他の車や障害物との接触で起こるへこみ傷

事故によるダメージが塗装面のみの場合、比較的安価で修理が可能です。また、小さな傷の場合には、所有者が自分で修理できるかもしれません。

一方で、鉄板が露出する程度の損傷の場合、さびが広がらないように早めに修理する必要があります。また、深い傷や大きな損傷の場合には、板金塗装による修理が必要です。損傷を放置したままにすると、傷が悪化したり広がったりするため、傷が付いたときは早めの対応を心掛けましょう。

損傷のダメージが大きいときは廃車として処分する

事故による損傷が激しい場合は、廃車による処分がおすすめです。特に、フレームにダメージが及んでいるときは要注意です。

フレームとは、車の骨組み部分に相当するパーツのことで、ラジエーターコアサポートやセンターフロアパネルなどがあります。車の安定性や耐久性に影響するパーツのため、損傷した場合には慎重な判断が求められるでしょう。

フレームの損傷が激しい場合、走行に支障が出る恐れがあります。修理しても完全に修復できないため、新しい車への買い替えがおすすめです。

また、フレームは他のパーツに比べると費用がかかりやすく、高額な修理費用を請求されることもあります。修理費用が事故に遭った車の車両価値を超えている場合、修理よりも廃車を選ぶのが賢明です。

修理費用は損傷の程度によって大きく異なる

車の修理費用は、損傷を受けたパーツによって大きく異なります。例えば、バンパーを交換する場合、1万円~10万円が修理費用の目安です。

ドアは修理の方法によって金額が異なります。補修による修理の場合、2万円~5万円が修理費用の目安です。一方で、ドアを取り換えるときには、10万円以上の修理費用がかかるでしょう。

事故による影響でエンジンが損傷した場合、新品への載せ替えが必要です。交換する場合の費用相場は、20万円~100万円となっています。ただし、高級車や輸入車のエンジンについては、100万円を超えることもあるでしょう。他のパーツと比べると、修理費用が高額になる傾向にあります。正確な費用を把握したいときは、修理を依頼する業者に見積もりを取るのが良いでしょう。

事故車の修理・買い替えによるメリットの違い

事故に遭遇したとき、はじめに修理を検討するもしれません。ただし、高額な修理費用が発生する場合には、買い替えのほうが良い場合もあります。車の修理には一長一短があるため、慎重に時間をかけて決めるのがおすすめです。

ここでは、車の事故において修理や買い替えを選択した場合のメリットについて、それぞれ詳しくご紹介します。

事故車を修理するメリット

事故車を修理するメリットのひとつは、軽微な事故の場合には費用を抑えられることです。損傷の程度にもよりますが、ミラー交換の場合なら2万円~3万円で済むでしょう。

また、事故車を修理すると、大切な愛車に乗り続けられます。思い入れのある車やカスタマイズした車が事故に遭っても、修理すれば手放さずに済むでしょう。

新車で購入した車の場合、メーカー保証を利用できる可能性があります。保証期間は、購入から3年~5年です。保証期間内であれば、修理費用を大幅に軽減できます。

事故車を買い替えるメリット

事故車を買い替えするメリットは、新車購入資金の確保です。パーツの一部が損傷した場合でも、廃車専門の買取業者なら価格を付けてもらえる可能性があります。

また、自動車保険に加入している場合、車の買い替え資金の受け取りが可能です。加害者の場合、対物損害賠償保険から支払われます。また、被害者の場合には、相手の対物損害賠償保険を通して受け取れるでしょう。

ただし、受け取れる金額は事故の状況や損傷の程度によって異なるため、保険会社へ相談しておくのがおすすめです。

事故車の修理・買い替えによるデメリットの違い

修理か買い替えを選択する際には、デメリットについても確かめておく必要があるでしょう。修理を選択した場合、修理期間に関するデメリットがあります。

一方で、買い替えを選択した場合には、自動車保険やローンに関する確認が必要です。ここでは、事故後の修理や買い替えを選んだときのデメリットについて、それぞれご紹介します。

事故車を修理するデメリット

事故車を修理するデメリットのひとつは、修理期間の長期化です。繁忙期に修理を依頼したり、パーツの取り寄せに時間がかかったりすると、手元に戻るまでに大幅な時間を要するかもしれません。仕事や送迎で車を使用している場合、代車やレンタカーの手配が必要になり、高額な費用がかかることもあります。

事故車を修理する別のデメリットは、故障や破損リスクの増加です。エンジンやフレームが損傷した場合、修理や交換を実施しても再び不具合が生じる可能性もあります。

事故車を買い替えるデメリット

事故車を買い替えるデメリットのひとつは、自動車保険料の上昇です。事故車の買い替えで自動車保険を使用した場合、保険等級が1年~3年下がるため、翌年以降の保険料の負担が増えます。

事故車を買い替える別のデメリットは、二重ローンのリスクです。事故車のローンが残っており、新しい車を購入するために追加でローンを組んだ場合には、2台分のローンを支払わなければなりません。事故車の買取はローンの完済後でなければならないため、毎月の支払いが大幅に増える可能性があります。

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修理よりも買い替えが向いている事故車のケース

事故車の修理か買い替えを検討する際は、修理費用やローンの残債、損傷の程度などを確認しておくと良いでしょう。

ケースによっては、修理よりも買い替えのほうが費用を安く抑えられる可能性があります。また、修理費が安い場合でも、車両のコンディションによっては買い替えが良いかもしれません。ここでは、修理よりも買い替えが向いている事故車のケースをご紹介します。

高額な修理費用がかかるとき

修理費用が高額で金銭的な負担が大きい場合は、新しい車への買い替えのほうが良いでしょう。修理費用は損傷したパーツによって異なります。走行に関係したパーツが損傷した場合、修理費用が高くなりやすいでしょう。 

高級車やハイブリッド車などの特殊なパーツが必要な車種についても、修理や部品の交換に高額なコストがかかる傾向があります。

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ローンの残債が少ないとき

ローンで購入した車が事故に遭ったときは、残債の確認が必要になるでしょう。車の損傷が激しい場合、新しい車への買い替えを検討するかもしれません。

ローンが残っている状態で新たな車をローンで購入すると、二重ローンになる恐れがあります。毎月の返済が増えることで、生活に支障が出る恐れもあるでしょう。その点ローンの残債が少ない場合、新しい車への買い替えも検討しやすくなります。

フレームが損傷したとき

フレームとは車の骨組みを構成するパーツのことです。サイドメンバー、クロスメンバー、インサイドパネル、ピラーなどが含まれます。フレームの修理は高額になる傾向にあり、修理後も車の安全性が完全に回復する保証はありません。

フレームを修理した車は修復歴車として扱われ、査定価値は大きく下がるでしょう。経済的な観点と安全性を考えた場合、新しい車への買い替えがおすすめです。

エンジンが故障したとき

エンジンが故障した場合、高額な修理費用がかかる傾向にあります。輸入車や高級車の場合にはさらに高額になることが考えられるでしょう。現在の車の価値よりも修理費用が高くなることが多いため、買い替えが適しています。

エンジンに不具合のある車は、不動車として扱われます。売却時の査定額が低い傾向にあるため、早めの処分が良いでしょう。

自動車保険だけで修理費用をカバーしきれないとき

自動車保険を使用しても全ての修理費用のカバーが難しい場合、買い替えの検討が適しているでしょう。事故による補償金は、過失割合や保険の補償内容によって大きく異なります。

保険の補償範囲が限定的な場合は、必要となる修理費用の全額をカバーできないかもしれません。自己負担額が膨らんだ場合は、修理よりも新しい車への買い替えが適しています。

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低年式の車や走行距離の多い車が事故に遭ったとき

走行距離が10万kmを超えた車、年式が10年以上の車については、修理よりも買い替えが良い可能性があります。走行距離が多い車や年式が古い車は、中古車市場での需要が低い傾向です。

事故による損傷が加わると、修理費用が車の市場価値を上回るかもしれません。修理に見合うだけの価値回復が見込めないため、修理よりも売却が適しています。

事故車の買い替えで自動車保険を使用する際の注意点

事故に遭った車を買い替える際、自動車保険の使用が可能です。ただし、使用する場合には、免責事項に注意する必要があります。契約内容によっては適用外となる場合もあるからです。

また、自動車保険を使用する場合、今後の保険料の負担が増えるかもしれません。ここでは、事故車の買い替えで自動車保険を使用する際の注意点について解説します。

免責事項を設定している場合がある

免責とは、保険会社が保険金支払い義務から免れる条件のことです。飲酒運転による事故や自然災害などが条件に該当する傾向があります。

保険契約に免責金額が設定されている場合、一定の自己負担が必要です。免責事項に該当する場合や免責金額を上回る損害が発生した場合のみ保険金が支払われます。事故で車を買い替える場合、受け取れる保険金が少なくなることがあるでしょう。自動車保険を利用する際は、契約に設定されている免責事項と免責金額を把握しておく必要があります。

翌年の保険料の負担が増える

自動車保険を利用すると、翌年の保険料の負担が増えるかもしれません。自動車保険では等級のシステムを採用しており、等級に応じて保険料が決まります。等級は保険の使用状況に応じて調整され、保険を使用しない場合には翌年の等級が上がるでしょう。一方で、保険を使用した場合には等級が下がります。

自動車保険が適用されても等級が下がらないケースもありますが、保険会社や契約内容によって異なるでしょう。自動車保険の使用を決定する際には、翌年の保険料の変動を確認しておくのが適切です。

過失割合が10対0の事故は自分で交渉する場合がある

通常の事故とは異なる、もらい事故に遭遇するケースがあります。もらい事故とは、自分に一切の非がない事故のことです。補償金は原則として相手の保険から支払われますが、自分の保険会社を通さずに交渉しなければならず、適切な補償を受けるためには保険の請求手続きに関する知識や交渉技術が求められるでしょう。

弁護士特約を付帯している自動車保険に加入している場合、複雑な手続きを全て任せられます。自動車保険の見直し時には、弁護士特約の有無を確かめておくと良いでしょう。

事故車を買い替えする際に押さえておきたい6つのステップ

事故車を手放してから新しい車に買い替える場合、修理費や買取の見積もり、保険会社への連絡などが必要です。あらかじめ流れを把握しておくと、トラブルを未然に防いだり、スムーズに手続きを進められたりできます。

事故車を買い替える際のステップは、大きく分けて6つです。ここでは、それぞれのステップについて詳しく解説します。

ステップ1:修理費の見積もりを出してもらう

事故車の処理を進める際、修理するかしないかに関係なく修理費用の見積もりを取ると良いでしょう。保険会社は、修理費用の見積もりに基づいて保険金額を算出するからです。事故に遭遇した場合は、補償額や保険でカバーできる範囲を確認するために、保険会社の担当者にも伝えておくのが良いでしょう。

なお、全損の事故については廃車となる可能性が高く、車の時価額に基づいて保険金額が決定されます。

ステップ2:買取の見積もりを出してもらう

買取を検討している場合、複数の業者から見積もりを取ると良いでしょう。事故車の評価額は、買取業者ごとに異なるからです。事故車については、各業者で買取価格が大きく異なるかもしれません。

複数の業者に見積もりを依頼すると、買取価格の相場や最も高い価格を付ける業者などが分かります。事故車を買取してもらえた場合、新しい車の購入資金として回せるでしょう。

ステップ3:買い替えか修理を選択する

修理費と買取額の見積書を受け取ったら、修理と買い替えのどちらかを選択します。修理と買い替えを判断する場合、修理の見積もり額・買取価格・保険金の適用範囲などの比較が必要です。

また、車の使用期間が今後どのくらいあるのかも考慮しておくと良いでしょう。新しい車の買い替え時期が近く、高額な修理費用がかかるときや保険で新しい車の購入をカバーできるときは買い替えが向いています。

ステップ4:保険会社に入金の連絡を入れる

修理費用の見積もり額を保険会社に報告すると、保険金の金額が決定されます。保険会社に連絡を入れる際、買い替えについても連絡しておくと良いでしょう。

保険金の入金には一定の日数がかかるため、早めの連絡がおすすめです。相手側の保険会社との交渉が必要な場合、自分の保険会社のサポートについて確かめておくと良いでしょう。

ステップ5:事故車を処分する

事故車を処分する方法のひとつは、買取による処分です。買取によって得られた利益は、新しい車の購入資金として利用できます。事故車を有効活用することで、購入時の費用負担を減らせるでしょう。

主な処分先として、中古車買取店や廃車買取業者があります。ただし、車の廃車については廃車買取業者がおすすめです。動かない車でも0円以上の買取を期待できます。

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ステップ6:新しい車の購入手続きを進める

事故車の処分が完了した後は新しい車の購入です。車の購入を決めたものの、事故車の売却による代金の受け取りや保険会社からの保険金の受け取りが遅れることもあります。

代金や保険金を確実に受け取れることが分かっていれば、車の購入準備が進められるでしょう。処分した車にローンが残っているときは、無理のない返済計画を立てることが大切です。

修理せずに買い替えるときの事故車の売却先

事故で損傷した車を手放す際には、売却先を慎重に検討することが大切です。事故車は通常の中古車とは異なるため、専門知識を持った買取業者の利用をおすすめします。

適切な売却先を選ぶと、期待以上の価格で買取してもらえたり、手続きをスムーズに進められたりできるでしょう。ここでは、修理せずに買い替えるときの事故車の売却先について解説します。

中古車買取業者

中古車買取業者は、さまざまな車種やメーカーの買取が可能です。事故で傷やへこみがある場合でも、損傷が小さい場合には買取してもらえるでしょう。

一方で損傷の激しい車の査定を依頼した場合、買取金額が大幅に安くなることもあります。中古車買取業者は中古車としての再販を目的として買取を行うため、専門オークションなどでの再販の利益を考慮しながら査定額を決めるのが一般的です。

さまざまなリスクを抱えた事故車は査定額が安くなりやすく、市場価値のない車については買取を断られたり処分費用が発生したりします。

廃車買取業者

損傷が激しい事故車の場合は、廃車買取業者の利用がおすすめです。事故車は中古車としての査定額が付きにくい傾向にありますが、廃車買取業者なら損傷が激しい場合でも買取が行えます。

車としての価値を見いだせない場合でも、中古のパーツや資源として収益化できる再販ルートを持っているのが特徴です。加えて廃車手続きにかかる費用を無料で提供している業者もあるため、お得に事故車を処分できるでしょう。

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事故車の買い替えについてよくある質問

事故車を買い替えるか修理するかの判断は、さまざまな要素が関係するため判断に迷うことも少なくありません。ここでは、事故車の買い替えについてのよくある質問をご紹介します。

事故で車が全損になったら、買い替え費用は請求できますか?

被害者であれば、加害者側に買い替え費用の請求が可能です。過失割合や車の価値などを考慮しながら補償額が決定します。

事故で修理せずに車を買い替える場合はどうなりますか?

修理よりも買い替えが適していると判断された場合、買い替え差額の補償を受け取れるでしょう。新しい車の購入資金としての利用が可能です。

事故を起こした車を買い替える基準は?

事故に遭った車を買い替える基準として、ローンの負担が少ない、エンジンや骨格などが損傷している、補償費用が十分ではないなどがあります。

まとめ

事故車と修理や買い替えの判断は、損傷の程度によって異なります。軽度の傷なら、修理して乗り続けることも可能です。一方で、フレームに大きなダメージが及んでいたり、エンジンに不具合が起きていたりする場合には、買い替えが良いかもしれません。修理や買い替えのメリットとデメリットを確かめながら、慎重に決定しましょう。

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